放送業界の動向とカラクリがよくわかる本(第2版)

秀和システム 2008年10月10日

1300円


【本書の主な内容】

 本書の旧版が出版されたのはいまから四年以上も前のことです。現在ほどではないにしろ、当時も地上デジタル放送が話題になっていました。旧版では当然そのことについてもふれました。ただし、より多くの紙数を割いたのがネットワークに接続されたテレビによるビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスについてです。

 VODはIPTVの一サービスとして本格化する勢いです。さらにそのサービス受け口として、ネット・テレビも姿を現してきました。従来パソコン中心だったインターネット端末に、ようやくテレビも仲間入りを果たしつつあるようです。これにより、テレビを対象とした各種サービスが花開く予感がします。

 従来テレビ画面は一般的に地上放送による番組が占めてきました。一方、テレビがネットワーク端末化することで、テレビ画面に何を表示するかという、いわゆる視聴者(もはや古い言葉ですね)の選択肢が大幅に広がる時代に突入してきました。

 これは、放送業界がもはや従来の枠組み業界を定義できない時代とも言い換えられます。そして、古い枠組みを解体し、映像コンテンツや情報メディアという考えで業界を再定義し、その中でいかに有利に競争を進めるのかを考える時期にきています。また、従来放送業界からは蚊帳の外扱いにされた事業者にも、映像コンテンツや情報メディアという枠組みで、新たなサービスを立案し提供することが可能になるでしょう。

 本書では、放送業界を取り巻くこれら最新の動きを第一章、第二章でとりまとめました。また、第三章から第五章は、放送業界の構造や現況など、基本情報についてふれています。さらに最終章では、大きく変化する環境の中で、放送業界がどのような圧力を受け、将来的にはどのような方向に進むのか、筆者なりの見解を述べました。

 これからの映像コンテンツ業界や情報メディア業界で新たなビジネスや就職をお考えの方に、放送業界の現状を把握しつつ、ご自分なりの業界展望を描くのに本書がお役に立てれば筆者として幸いです。

2008年8月 筆者記す
(「はじめに」より)


【目次】
第1章 放送業界を揺り動かすIPTV

1-1 国際標準のIPTVが生まれる
1-2 放送インフラとしてのNGN
1-3 地上デジタル放送 IP再送信の紆余曲折
1-4 著作権法と県域免許制度の壁
1-5 将来が期待されるネット・テレビ
1-6 ネット・テレビで ユーチューブを視聴する
1-7 NHKも本格的に 参戦するVODサービス
1-8 グーグルが狙うテレビ広告
コラム IPマルチキャストとは何か

第2章 地上デジタル放送の行方と放送環境の変化

2-1 地上デジタル放送の普及計画
2-2 地上デジタル放送の普及の現状
2-3 地上デジタル放送の行方
2-4 「情報通信法」で変わる 通信と放送の規制
2-5 マスメディア集中排除原則の 緩和と放送持株会社の解禁
2-6 コピーワンスからダビング10へ
2-7 普及するワンセグ・ケータイ
コラム アナアナ変換って何?
コラム ブルーレイ VS HD DVDの結末

第3章 放送業界の基本構造――放送業界の基本を知る

3-1 多様な放送の種類
3-2 放送を規制する様々なルール
3-3 放送基準と放送倫理基本要領
3-4 放送事業の推移と現況
3-5 放送業界の利益の仕組み
3-6 広告に頼らないビジネスモデル
3-7 ネットワーク ――民間テレビ局の系列とは
3-8 ネットワークと新聞社、そしてラジオ局
コラム IPアドレスと地域の絞り込み

第4章 放送業界のキープレーヤーとその動向

4-1 キー局とその経営状況
4-2 準キー局・中京局の経営状況
4-3 番組制作会社なくして 放送は成り立たない
4-4 NHKとは何か
4-5 衛星放送の特徴と仕組み
4-6 BS放送とCS放送の違い
4-7 BS放送の現状と動向
4-8 CS放送の現状と動向
4-9 ケーブルテレビの仕組み
4-10 ケーブルテレビの現状と動向
4-11 MSOの登場と広域連携
コラム ジューストで楽しむ鮮明映像

第5章 民間放送局の収益源、コマーシャル

5-1 広告媒体に占めるテレビのポジション
5-2 高高若低のテレビ視聴時間
5-3 一本の番組を提供する番組CM
5-4 局ごとにゾーン決めするスポットCM
5-5 スポットCMの出稿パターン
5-6 テレビ広告の長さにはルールがある
5-7 テレビ番組と世帯視聴率
5-8 もう一つの視聴率・個人視聴率
5-9 民間放送局と広告会社の関係
5-10 ローカル放送局の経営事情と広告
5-11 スポンサーから見た広告媒体としてのテレビ

第6章 ITと融合する放送の近未来

6-1 放送業界の競争環境を整理する
6-2 環境の変化による競争の変質
6-3 テレビ広告に対する不信感
6-4 変容する放送業界の枠組み
6-5 映像コンテンツの 破壊的イノベーション・モデル
6-6 映像コンテンツとロングテール
6-7 注目すべきはやはりVODか?
6-8 放送業界はどこへ向かうのか

© Akira Nakano pcatwork.com 1999~2011