ジェフリー・ムーアの「キャズム理論」がわかる本

秀和システム 2008年4月21日 600円


【本書の主な内容】

 本書はアメリカのマーケティング・コンサルタントであるジェフリー・ムーアが提唱する、キャズム理論について解説したものです。

 ムーアのキャズム理論は、1991年に出版された『クロッシング・ザ・キャズム』(邦題『キャズム』翔泳社、2002年)で広く公にされました。ムーアはこの本で、初期市場で成功した製品が、主流市場で何故失敗するか、そのメカニズムを解き明かします。そして、主流市場でも成功するための戦略を示しました。

 同書の出版当時は、ハイテク製品が急激に進化し、やがてインターネットの普及も始まる時期でした。ムーアの主張はハイテク業界に広く受け入れられ、いまやこの著作は「米国ハイテク業界のバイブル」とまで言われるようになっています。

 その後もムーアはコンサルタントとして執筆活動を続けます。そして、近著『ライフサイクルイノベーション』(翔泳社、2006年)では、キャズム理論の規模をさらに拡大し、永続する組織を確立するための戦略論を提唱しました。いわばムーア理論の確立です。

 そして、ムーア理論の全貌を解説するとともに、その中でも特に重要な位置を占めるキャズム理論について、図解をふんだんに用いながら徹底した分かりやすさを追求したのが本書です。本書を通読してもらえれば、キャズム理論をはじめとしたムーアの主張のエッセンスをご理解いただけるはずです。

 もっとも、本書がムーアの原典の代替になるとは考えていません。ムーア理論の全貌およびキャズム理論について、より深く理解するには、上記に掲げた原典を読むことが不可欠です。そういう意味で本書は、ムーアの理論を理解するための導入部に相当するものです。

 では、キャズム理論の中枢へ、いざ斬り込みましょう。

2008年3月 筆者記す

(「はじめに」より)

【目次】
第1章 キャズム理論のエッセンス

1-1 ジェフリー・ムーアとキャズム
1-2 キャズムとは何か
1-3 クロッシング・ザ・キャズム
1-4 キャズム理論からムーア理論へ
1-5 イノベーションとキャズム理論
1-6 キャズム理論を円滑かつ深く理解する
コラム ドラッカーのイノベーション論

第2章 ムーア理論の全貌

2-1 カテゴリー成熟化ライフサイクル
2-2 カテゴリー成熟化ライフサイクルのベース理論
2-3 製品ライフサイクルを理解する
2-4 ロジャーズのイノベーション普及理論
2-5 イノベーション採用者カテゴリー
2-6 両理論を重ね合わせる理由
2-7 カテゴリー成熟化ライフサイクルのマーケティング
2-8 イノベーション採用者カテゴリーとキャズム
2-9 テクノロジー導入ライフサイクル
2-10 テクノロジー導入ライフサイクル以降の対応
コラム ブルー・オーシャン戦略

第3章 キャズムのメカニズム

3-1 テクノロジー導入ライフサイクルの各特徴
3-2 ビジョナリーとしての初期採用者
3-3 主流市場の壁、初期多数派
3-4 後期多数派とラガートの特徴
3-5 初期市場と主流市場の狭間で
3-6 キャズムに陥る理由
3-7 PDAの大誤算
3-8 セカンドライフはキャズムを越えるか
コラム キャズムに対するロジャーズの見方

第4章 クロッシング・ザ・キャズム戦略

4-1 キャズムを越える3つの至上命題
4-2 キャズムを飛び越えるための基本戦略
4-3 ニッチ市場に着目する理由
4-4 ニッチ市場とターゲット・カスタマー
4-5 ターゲット・カスタマー・シナリオの作成
4-6 シナリオを評価する
4-7 ニッチ市場としてのローエンド
4-8 ホールプロダクトとは何か
4-9 ホールプロダクトの構造
4-10 ホールプロダクトとバリューチェーン
4-11 ポジショニングと競争相手
4-12 ポジショニングの明文化
4-13 ナンバー1の法則と梯子の法則
4-14 販売チャネルの検討
4-15 販売チャネル志向型の価格設定
コラム マーケティングの基本手法とムーア理論

第5章 キャズムを越えた後に

5-1 ニッチ市場の向こうへ
5-2 ボーリングピン戦略の実践
5-3 アプリケーション・イノベーションの実践
5-4 トルネードからメインストリートへ
5-5 製品イノベーションの推進
5-6 プラットフォーム・イノベーションの推進
5-7 成熟市場から衰退市場へ
5-8 時代を超えて永続する企業

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