最新コンテンツ業界の動向とカラクリがよくわかる本

秀和システム

2008年12月8日 1400円


【本書の主な内容】

 いまコンテンツ業界が注目を集めています。その理由は本文で詳しく述べますが、以下かいつまんで説明しておきます。
 日本は国外から資源を輸入しそれを加工し輸出して外貨を得てきました。ところが新興国の台頭により、日本を支えてきた「ものづくり」を中心とする従来型産業に、かつてほどの勢いがなくなってきました。そうした中、国としても「ものづくり」とは異なる新たなリーディング産業の育成が不可欠になってきました。
 そのような中、ものではなく情報をテコとした産業が、次のリーディング産業として注目されるようになってきました。ここで言う情報とは、無形財産いわゆる知的財産のことです。そして、その知的財産の一翼を担うのがコンテンツです。
 コンテンツとは、人間の創造的活動により生み出されるもののうち、教養又は娯楽の範囲に属するもので、具体的には映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲームなどを指します。これらをとりまとめた国内コンテンツ産業の市場規模は、一三兆八一八〇億円(〇七年)で、国内総生産に占める割合は約二・五%という巨大なものです。しかも、国際平均の三%を下回っていることから、潜在的な成長余力を残しているといえます。
 加えて、韓流ブームに見られるように、コンテンツの力が、その国の存在感を高めることにも役立ちます。これをソフト・パワーとも呼びます。
 こうした事情から、国としても「知的財産基本法」、「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律(コンテンツ促進法)」などの法律を整備し、国を挙げた知的財産立国、コンテンツ産業の促進を掲げています。
 このように、コンテンツ業界の今後には、大きな未来が開けていると言ってもよいと思います。そして本書は、そのコンテンツ業界の現状と将来について、一テーマ見開き二ページを基本にふんだんな図解で明快に解説しました。
 本書が、次の日本を切り拓くコンテンツ業界に対する、読者諸兄姉の理解に資することを願ってやみません。

二〇〇八年一〇月
筆者記す
(本書「はじめに」より)


【目次】

第1章 コンテンツ業界の全貌

1-1 コンテンツとは何か

1-2 コンテンツの種類

1-3 コンテンツとメディアの分離

1-4 メディア別で見たコンテンツの分類

1-5 コンテンツ業界の市場構造

1-6 コンテンツ業界の市場規模

1-7 詳細コンテンツ別、流通別市場規模の推移

1-8 デジタル・コンテンツの市場規模

1-9 メディア・ソフトと市場規模の推移

1-10 なぜいまコンテンツ業界なのか

1-11 ソフト・パワーに注目せよ

1-12 知的財産立国を目指す日本のコンテンツ戦略

コラム コンテンツの創造、保護及び活用の価値に関する法律(コンテンツ促進法)

第2章 音楽業界

2-1 音楽業界の市場構造

2-2 音楽業界の市場規模

2-3 下げ止まらないオーディオ・レコードの売上

2-4 事業の多角化を目指すレコード会社

2-5 音楽出版社とは何か

2-6 音楽著作権管理事業者とは何か

2-7 苦戦が続くCDショップ

2-8 市場規模縮小が止まらないカラオケ

2-9 拡大する音楽配信の市場規模

2-10 音楽配信サービスの仕組み

2-11 市場を席巻するiチューンズ・ストア

2-12 アマゾンmp3がiTSの最大のライバルになる?

2-13 楽曲の購入から聴取料徴収ビジネスへ

コラム 赤丸急上昇中? 音楽コンテンツとしてのライブ・コンサート

第3章 放送業界

3-1 放送業界の市場構造

3-2 放送業界の市場規模

3-3 民間テレビ放送局のビジネス・モデル

3-4 広告収入をベースにしないビジネス・モデル

3-5 テレビ放送局の力比較

3-6 テレビ番組の制作と、そのお値段

3-7 厳しい環境の番組制作会社

3-8 地上デジタル放送の進展

3-9 IPTVでテレビの視聴スタイルが変わる

3-10 NHKオンデマンドの衝撃

3-11 業界を揺るがす情報通信法の成立

3-12 高齢化が進むテレビ視聴者

3-13 競争環境が変わる放送業界

コラム 深刻化するCMスキップ

第4章 映画業界

4-1 映画業界の市場構造

4-2 映画業界の市場規模

4-3 若い女性の支持を集める映画

4-4 少々小粒だった〇七年のヒット映画

4-5 国内大手映画会社のトップを走る東宝

4-6 映画作品のマルチウィンドウ戦略

4-7 シネマ・コンプレックスの隆盛

4-8 デジタル・シネマは進展するのか

4-9 映画製作委員会の一般化

4-10 映画製作資金調達の多様化

4-11 映画産業で威力を見せつける民間テレビ局

4-12 息切れ感が漂うビデオソフト市場

4-13 レンタルビデオ市場は回復基調?

コラム スクリーン数は増えてはいるけれど

第5章 ゲーム業界

5-1 ゲーム業界の市場構造

5-2 ゲーム業界の市場規模

5-3 DSとWiiでわいた家庭用ゲーム機市場

5-4 家庭用ゲームへの新規参加が拡大

5-5 任天堂対SCE、どっちが強い?

5-6 新たな使い方を模索するゲーム機

5-7 ゲームソフト会社の動向

5-8 ハード中心に展開したゲームソフト市場

5-9 ゲームプレイは週間平均三・九日

5-10 店舗あたりの規模が拡大するゲームセンター

5-11 若年層の支持を得るゲームセンター

5-12 将来が期待されるオンライン・ゲーム

コラム ゲーム端末としてのiフォン

第6章 アニメーション業界

6-1 アニメーション業界の市場構造

6-2 アニメーション業界の市場規模

6-3 マンガ雑誌市場の不振は深刻

6-4 大人気作品を生み続けるマンガ雑誌

6-5 日本のアニメとクール・ジャパン

6-6 デジタル化が進むマンガ・コンテンツ

6-7 アニメーションの新たな潮流

コラム ガラパゴスとコンテンツ

第7章 ウェブ・コンテンツ業界

7-1 ウェブ・コンテンツ業界の市場構造

7-2 ウェブ・コンテンツ業界の市場規模

7-3 進展するブロードバンド

7-4 ウェブ・コンテンツの四つのトレンド

7-5 進展するユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ

7-6 あらゆるサービスに広がるUGC

7-7 実用系の映像コンテンツが流行する?

7-8 映像コンテンツに付帯するサービス

7-9 映像コンテンツをもち歩く

7-10 Where2・0とは何か

7-11 マーケティング空間化するウェブ

7-12 マーケティングとロングテール

7-13 マーケティング手法としてのレコメンド

7-14 アンビエント化するマーケティング

コラム メディア・コンバージェンスって何?

第8章 モバイル・コンテンツ業界

8-1 モバイル・コンテンツ業界の構造

8-2 モバイル・コンテンツ業界の市場規模

8-3 携帯電話全体の八割に達した3Gケータイ

8-4 ヤフー!、ミクシィ、楽天が人気

8-5 頭打ち感漂うモバイル向け音楽配信

8-6 注目されるモバイル向け映像配信

8-7 一〇代に人気のモバイル向けゲーム

8-8 まだまだある人気コンテンツ

8-9 ワンセグ専門の番組が次々登場する?

8-10 モバイル広告からも目が離せない

8-11 iフォーンとアップ・ストアの衝撃

8-12 ケータイのビジネス・モデルは変わるのか?

コラム 4Gへと進化するケータイ

第9章 コンテンツと著作権

9-1 コンテンツ業界と著作権ビジネス

9-2 著作権法の基本構造

9-3 財産権としての著作権

9-4 著作隣接権とは何か

9-5 NHKオンデマンドと実演家の二次利用料

9-6 IPTVと著作権法の改正

9-7 コピーワンスからダビング10への移行

9-8 音楽コンテンツのDRM

9-9 DRMフリー音楽コンテンツの登場

9-10 クリエイティブ・コモンズとは何か

© Akira Nakano pcatwork.com 1999~2011