ケインズの経済学がよくわかる本

秀和システム

2009年8月1日 800円


【本書の主な内容】

近年、ケインズに対する注目がにわかに高まってきました。

ケインズ経済学は、慢性的な失業とその背景にある不況のメカニズムを明らかにします。しかもケインズは、単なる理論のみならず、不況を克服するための処方箋についても提言しました。よって、ケインズを学ぶことで不況克服のヒントを得られるではないかという期待が、ケインズに注目が集まる理由です。

とはいえ、ケインズの名は知っているが、理論の中身は知らない、という人が多いのではないでしょうか。そうした人を対象に、ケインズ理論をわかりやすく解説したのが本書です。

ケインズについてほとんど知らない人がケインズを学ぶとき、いったい何を理解すればよいのか──。本書ではこの点を基本姿勢にしています。そのため、本書を一読することで、ケインズ理論の「そこが知りたい」という点を理解してもらえると自負しております。

目次

第1章 ケインズとは何者か?

1-1 経済学の巨人ジョン・メイナード・ケインズ

1-2 ケインズの生涯

1-3 ケインズの主要著作

1-4 『一般理論』のエッセンス

1-5 いまケインズが注目される理由

コラム ケインズとアルフレッド・マーシャル

第2章 ケインズ経済学の不況観

2-1 ディマンドサイドとサプライサイド

2-2 新古典派経済学の不況観

2-3 新古典派経済学の失業観

2-4 摩擦的失業と自発的失業

2-5 ロビンソン・クルーソー経済

2-6 理論の核心としての有効需要

2-7 有効需要を構成する要素

2-8 非自発的失業の発生

2-9 有効需要不足による不況の発生

2-10 こうして雇用不足が発生する

コラム ケインズと魔術師ニュートン

第3章 有効需要が不足する理由

3-1 有効需要不足が起こるメカニズム

3-2 社会の消費量を決める消費性向

3-3 限界消費性向とは何か

3-4 貯蓄と投資は等しくなる

3-5 投資の限界効果

3-6 投資と利子率の関係

3-7 利子率を決める流動性選好

3-8 企業家心理が投資に及ぼす影響

3-9 長期の期待と不確実性

3-10 不況が社会を突如襲う理由

3-11 豊富の中の貧困というパラドックス

3-12 悲観の誤謬に陥った日本

コラム ケインズと絵画コレクション

第4章 流動性選好から消費拡大へ

4-1 不況の背景にある貨幣という存在

4-2 貨幣とは何か

4-3 流動性選好の動機

4-4 人の心理が決める流動性資産

4-5 貨幣の魔力

4-6 金融緩和政策と流動性の罠

4-7 合成の誤謬

4-8 蜂の寓話

4-9 賢明な支出を促せ

4-10 スタンプ付き貨幣

4-11 消費しても尽きないもの

4-12 織田信長と茶の湯

コラム ハイパーインフレーション

第5章 投資と乗数効果

5-1 有効需要不足による不況への処方箋

5-2 政府の投資に注目したケインズ

5-3 供給と需要のギャップを埋める投資

5-4 投資の効果を見極める

5-5 乗数効果と投資乗数

5-6 具体例に基づく乗数効果

5-7 限界消費性向と投資の関係

5-8 乗数理論の意義

5-9 公共事業への眼差し

5-10 ケインズ政策への誤解

コラム 名目GDPと実質GDP

第6章 公共事業は必要なのか

6-1 乗数効果は本当に効果的なのか

6-2 乗数効果に無理がある理由

6-3 赤字国債による公共事業

6-4 失業手当と公共事業の違い

6-5 公共事業がはらむ問題

6-6 利権化する公共事業

6-7 公共事業の存在理由

6-8 不況対策と公共事業

6-9 経済発展の活力源イノベーション

6-10 需要創出型のイノベーション

コラム デフレーション

第7章 ケインズ経済学と日本の停滞感

7-1 外需依存と金融恐慌

7-2 重商主義と外需頼み

7-3 貿易黒字=好況ではない

7-4 貿易の拡大が不況を招く?

7-5 重商主義から自由貿易主義へ

7-6 いまこそ内需拡大が不可欠に

7-7 アメリカの消費低迷と公共事業

7-8 調整インフレの是非

7-9 取り除くべきは社会不安

7-10 長期的な期待を形成するために

© Akira Nakano pcatwork.com 1999~2011