3. 腕木通信ネットワークの全貌

 電気をまったく使わない、人力のみに頼ってバケツリレー式で信号を送信した腕木通信。しかし決してあなどることはできません。何と発祥の地フランスでは、1794年にネットワークが公式スタートしてから約60年間で、トータル約5800kmにも及ぶ腕木通信ネットワークを整備しました。その全体像を表したのが下図のネットワークです。

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図6:フランスが整備した腕木通信ネットワーク(La Telegrapie Chappe)

 さらに驚くのはそのスピードです。フランスの北西部にブレストという港町があります。パリからこのブレストにはだいたい550kmの腕木通信線が整備されていました(ネットワーク図参照)。そして、パリから発信された腕木通信の信号は、何とものの480秒後(8分後)にブレストに届いたといいます。これを秒速に直すと1,125m/秒。音速が約330m/秒ですから、音速の3倍以上の速さで信号が駆け抜けたことになります。
 ちなみに、新大阪〜東京間の新幹線の距離は552.6km。ということは、新大阪を発進した腕木通信の信号は、わずか8分後に東京に到着していることになります。200年も前にこんな通信ネットワークがあったとは、驚き以外の何者もでもありません。

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図7:パリから中枢基地へ最初の信号が届くのに要した時間(各種資料より筆者作成)

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© Akira Nakano pcatwork.com 1999~2009