2007-10-02
CD-ROM作品は、このまま埋もれてしまうのだろうか?

 DVDが当たり前になってきた昨今、CD-ROMという言葉も、あまり聞かないようになりました。私の記憶では、 CD-ROMを標準で搭載したパソコンは、マッキントッシュのViとVxシリーズが最初ではなかったかと思います。1993年の頃ですから、いまから14ほど前になるでしょうか。

 この前後からCD-ROMにパッケージ化されたコンテンツが市場に出回るようになりました。著名なパブリッシャーとしては Voyager(ボイジャー)がありましたが、いまはどうなっていることでしょう*。今回は、90年代前半に一世を風靡したCD-ROM作品群が、このまま世の中から消えていくのか、ということについての話です。

 私のCD-ROMコレクションの一つに、Residentsの「Freak Show」があります。Residentsはアメリカの音楽グループで、1970年頃から活動しています。匿名性を売り物にしたユニークなグループで、メンバーの素性は一切わかっていません。顔も一切公開されておらず、顔全体が目玉でシルクハットをかぶった格好が、Residentsの定番になっています。スタイル同様、サウンドの方も変わっていて、ポップでキッチュながらどこか変態的なところが大きな魅力になっています。

 このResidentsが1994年にリリースしたのが、この「Freak Show」です。内容的には、うら淋しい公園で開催されている見せ物小屋をあちこち巡る、アドベンチャー・ゲームの一種と考えればいいでしょう。あちこちの見せ物小屋には、頭が瓶詰めになっている“どあたまハリー”、モグラ男ハーマン、ミミズ女ワンダ、ゲル状ジャック“骨なしボーイ”など、とにかく奇っ怪な人物が次々と登場します。もちろんResidentsのサウンドも満載ですし、たぶんResidentsファンにはたまらない内容だと思います。というか、アンダーグラウンドの音楽好きは必見の作品だと思います。

 ただ問題は、Mac対応のみでWindows版がないこと、MacもOS7〜9にしか対応していなことです。グラフィックス、サウンドとも素晴らしいのに、プレーヤー自体が存在しないため埋もれざるを得ない運命にあると言えます。

 レコードならばデジタル音源にしてCDやネットワーク経由で生き長らえるということになりますが、どうもCD-ROMはそうはいかないようです。Residents以外にも、ブライアン・イーノやピーター・ガブリエルらが、CD-ROMで素晴らしい作品を残しています。これらがこのまま埋もれてしまうのはあまりにももったいない。
 FTTH化が大進展する昨今、ネット経由でこうしたCD-ROMコンテンツを楽しめるようになれば、いいんですがねぇ。なお、画面をいくつかアップしたので、気になる方はこちらをどうぞ。

*Jeff Martin氏のレポート「Voyager Company CD-ROMs: Production History and Preservation Challenges of Commercial Interactive Media」によると、Voyager創業者の Bob Stein氏は、1996年に会社を去り、マルチメディア作品の出版企業 Night Kitchen社を立ち上げ、現在に至るようです。Voyager社は1997年に操業停止したようです。


© Akira Nakano pcatwork.com 1999~2011